前回の記事に、
感情とは、エゴが事象に対して勝手に感じているただの「反応」です。
と書きました。
エゴにはこの「感じる」と、「思う・考える」役目があります。つまり思考です。
この思考もいわば、エゴの事象に対する「反応」です。感情が感覚・本能的なものであるに対し、思考は理性的なもの、また感性的な部分もあります。
『思考が現実化する』という超有名な言説が存在するので、「自分の思う・考えることが現実になるのでネガティブなことを考えてはいけない」とどうしても人は思ってしまうのですが、
「ネガティブ思考 → よくないことが起きた」
というのは、結局はエゴの自作自演です。たとえば、
願望なんて(簡単に)叶うわけがない → ない・叶わない
というのは、エゴがそう考えてエゴがそう観ているだけです。
このエゴの思考を完全にとっぱらってしまうと、 前提の「ある・叶っている」が残るというか、もともとそれがあるだけです。
上記の例で言えば、「願望なんて簡単に叶うわけがない」という思考が消滅すれば、「(エゴが願望と思っていたものは)叶っている」だけになります。
そうすると、エゴにも「叶っている」が知覚できるようになります。
なぜなら、それが真実なので、エゴにも知覚せざるを得なくなるからです。
とはいえ、エゴの思考を完全に消し去ることは不可能ですので(感情も同様)、ただエゴで「叶っている」と判断・判定・認定していればいいのです(言葉は何でもいいです)。
あるいは、エゴが「叶っていない」と判断・判定・認定しなければいいのです。
あくまでも個人的な解釈ですが:
『思考が現実化する』のいわんとすることは、
願望は(簡単に)叶う → 叶う・叶っている
で、これもまたエゴがそう考えてエゴがそう観ている状態です。
「願望は(簡単に)叶う」と思考するまでもなく、前提として「すでに叶っている」のですが、エゴには何のとっかかりもなくその前提を受け入れることが難しいので、エゴのポジティブ思考に力を持たせる手法だといえるでしょう。